マーズ・アタック!
目の前に広がるキャベツ畑は、キャベツきゃべつキャベツきゃべつキャベツきゃべつキャベツきゃべつキャベツきゃべつキャベツきゃべつキャベツきゃべつキャベツきゃべつ・・・。
だから、喋らない。
当然、考えない。
きっと、変に思わない。
そうだ、誰も見ていない!
人の目なんて感じるな!頑張れ自分!負けるな自分!やり過ごすのよ、自分!
「どうしたんだ!オレンジャー!手の角度が低いぞ!!右足はもうちょっと下げて!」
はいはい。
これでいいのか?とばかりに両手の角度を変えてやると、加藤が満足そうにうなずいた。
次に、チョーコちゃん、加藤、志村、私、沢井君の順に並んで、腰に手をやり、見得を切る。
そして、志村の呼吸に合わせてみんなで叫ぶ。
「宇宙勇者・ガンバレンジャー、見参!!」
背後から、どかーんと、適度な煙幕がはられると、ますます得意げに胸を張るこちら側の宇宙人たち。
ああ、お願いだからそんな目で見ないで。
脳みそ緑色、金魚バチかぶりの宇宙人たちがうじゃうじゃと私たちの周りに群がってきて、敵意むき出しの瞼のない目で私たちを指す。
彼らの感想なんて聞きたくない。わかってるよ。わかってるのよ。全身タイツなんて生涯着ることなんてないと思ってたわよ。できることなら断りたかったわよ。でもねぇ、でも、断れないのよ!!
セラの一件でどれだけねちねちと文句を言われたことか!
私に言わせれば、いつまでも倒しに行かなかった奴らが悪いのよ。それなのに、泣きつかれて断り切れなかっただなんて。その結果が全身タイツだなんて、末代までの恥!!
「ほらほら、オレンジャー。ぼーっとしてるとどろどろにされちゃうよーん」
気がつけば加藤の言うとおり、ぽかーんと見ていただけの自称火星人達が思い出したように、手に持っていた銃口をこちらに向けていた。
「で、こっちはなんの武器で戦うの?向こうが銃ならこっちは巨大ロボ?」
「いや、気合だ」
「は?なん、なに?」
聞き返した私が悪かった。
どこからともなく取り出した長ネギを握らされ、とんと背中を押された。
もちろん、一歩踏み出した先には信じられない数の銃口。
ネギ一本でどうしろと!?
青ざめる私の横にはチョーコちゃん。同じくごぼうを握りしめている。見れば、志村はバナナ、加藤は玉ねぎ、沢井君は山芋を握りしめていた。
なんなんだ、この光景は。どこのC級映画だ。頼むからせめてかぶりものさせて。顔をさらすのが耐えられない。
ザリガニでボクシングしてもいいし、イカでプロレスしてもいいから!
「いや、それはさすがに悪趣味だ。いいから、黙って教えた通りにうまくやることだ。いくぞッ!!」
こうなったらどうにでもなれ。ってな感じで、志村の呼吸に合わせて教えられた言葉を叫んだ。
「卍解!!」
五人、息もぴったりに高らかに叫ぶと同時に、変化が起こった。
まず最初に、沢井君の山芋がとろろになった。
あれよあれよという間に四等身火星人達が絡め取られ、あっというまに巨大四等身火星人の出来上がり。俗に言う合体というやつに似ている、かも。
次はチョーコちゃんのごぼうがささがきとなっていっせいに巨大火星人を襲った。それはもう切れ味鋭いナイフみたいに、マシンガンのような勢いで飛んで行くわけだ。
あらまぁと、思っているうち、今度はみじん切りの玉ねぎがナイアガラの滝仕様で降り注ぎ、火星人達は大号泣を始めた。少しもらい泣きしたけど、こんなのが頭から降ってきたらと思うと二度泣ける。
そして、最後は志村が中身を食べたバナナの皮が登場。
往年のアレの匂いがぷんぷんしてきた。もしかしてと見ているうち、おびただしい量のそれが辺り一帯にまんべんなくばらまかれたではないか。
もう疑う余地はない。
巨大火星人たちが一歩踏み出したとたんに、それはもう見事としか言いようのない素晴らしいフォームで、滑って転がった。
スローモーション再生してみてもいい。アレは素晴らしくも恐ろしい完璧なバナナ滑り芸だ。
「よっしゃああ!!」
完全に沈黙してしまった火星人達の塊を見て、志村と加藤が大絶叫で狂喜乱舞。その周りをチョーコちゃんがぴょんぴょん飛び跳ねている。沢井君は、まぁ、今後の後片付けのことを考えてため息をついていた様子だけど。
さて、それはいいよ。それはいいよね。うん。火星人もやっつけたんだしさ。
問題は、
「ネギ…」
ななめ切りになることもなく、小口切りになるわけでもなく、しらがねきにもなれなかった、この一本が二本になったネギはあまりにもかわいそうじゃないのか?
まぁ、今晩のおかずの材料にはなってくれそうだけど。
もうネギで攻撃することはないだろうと、安心したのも束の間。
私の肩をがっちりつかんだ志村がにやりと笑った。
「勝利のポーズいくぜッ!!」
その後ろで、思い出したように年代物のラジカセを出してきた加藤。
カチリと音を立ててそこから流れ出した音楽は…。
もう、私の体は自分の意志ではどうすることもできなかった。
全国のみなさん、にこにこしてますか?
「ネッギ、ネギにしーてやんよー♪」
ネギ踊り…怖い。
だから、喋らない。
当然、考えない。
きっと、変に思わない。
そうだ、誰も見ていない!
人の目なんて感じるな!頑張れ自分!負けるな自分!やり過ごすのよ、自分!
「どうしたんだ!オレンジャー!手の角度が低いぞ!!右足はもうちょっと下げて!」
はいはい。
これでいいのか?とばかりに両手の角度を変えてやると、加藤が満足そうにうなずいた。
次に、チョーコちゃん、加藤、志村、私、沢井君の順に並んで、腰に手をやり、見得を切る。
そして、志村の呼吸に合わせてみんなで叫ぶ。
「宇宙勇者・ガンバレンジャー、見参!!」
背後から、どかーんと、適度な煙幕がはられると、ますます得意げに胸を張るこちら側の宇宙人たち。
ああ、お願いだからそんな目で見ないで。
脳みそ緑色、金魚バチかぶりの宇宙人たちがうじゃうじゃと私たちの周りに群がってきて、敵意むき出しの瞼のない目で私たちを指す。
彼らの感想なんて聞きたくない。わかってるよ。わかってるのよ。全身タイツなんて生涯着ることなんてないと思ってたわよ。できることなら断りたかったわよ。でもねぇ、でも、断れないのよ!!
セラの一件でどれだけねちねちと文句を言われたことか!
私に言わせれば、いつまでも倒しに行かなかった奴らが悪いのよ。それなのに、泣きつかれて断り切れなかっただなんて。その結果が全身タイツだなんて、末代までの恥!!
「ほらほら、オレンジャー。ぼーっとしてるとどろどろにされちゃうよーん」
気がつけば加藤の言うとおり、ぽかーんと見ていただけの自称火星人達が思い出したように、手に持っていた銃口をこちらに向けていた。
「で、こっちはなんの武器で戦うの?向こうが銃ならこっちは巨大ロボ?」
「いや、気合だ」
「は?なん、なに?」
聞き返した私が悪かった。
どこからともなく取り出した長ネギを握らされ、とんと背中を押された。
もちろん、一歩踏み出した先には信じられない数の銃口。
ネギ一本でどうしろと!?
青ざめる私の横にはチョーコちゃん。同じくごぼうを握りしめている。見れば、志村はバナナ、加藤は玉ねぎ、沢井君は山芋を握りしめていた。
なんなんだ、この光景は。どこのC級映画だ。頼むからせめてかぶりものさせて。顔をさらすのが耐えられない。
ザリガニでボクシングしてもいいし、イカでプロレスしてもいいから!
「いや、それはさすがに悪趣味だ。いいから、黙って教えた通りにうまくやることだ。いくぞッ!!」
こうなったらどうにでもなれ。ってな感じで、志村の呼吸に合わせて教えられた言葉を叫んだ。
「卍解!!」
五人、息もぴったりに高らかに叫ぶと同時に、変化が起こった。
まず最初に、沢井君の山芋がとろろになった。
あれよあれよという間に四等身火星人達が絡め取られ、あっというまに巨大四等身火星人の出来上がり。俗に言う合体というやつに似ている、かも。
次はチョーコちゃんのごぼうがささがきとなっていっせいに巨大火星人を襲った。それはもう切れ味鋭いナイフみたいに、マシンガンのような勢いで飛んで行くわけだ。
あらまぁと、思っているうち、今度はみじん切りの玉ねぎがナイアガラの滝仕様で降り注ぎ、火星人達は大号泣を始めた。少しもらい泣きしたけど、こんなのが頭から降ってきたらと思うと二度泣ける。
そして、最後は志村が中身を食べたバナナの皮が登場。
往年のアレの匂いがぷんぷんしてきた。もしかしてと見ているうち、おびただしい量のそれが辺り一帯にまんべんなくばらまかれたではないか。
もう疑う余地はない。
巨大火星人たちが一歩踏み出したとたんに、それはもう見事としか言いようのない素晴らしいフォームで、滑って転がった。
スローモーション再生してみてもいい。アレは素晴らしくも恐ろしい完璧なバナナ滑り芸だ。
「よっしゃああ!!」
完全に沈黙してしまった火星人達の塊を見て、志村と加藤が大絶叫で狂喜乱舞。その周りをチョーコちゃんがぴょんぴょん飛び跳ねている。沢井君は、まぁ、今後の後片付けのことを考えてため息をついていた様子だけど。
さて、それはいいよ。それはいいよね。うん。火星人もやっつけたんだしさ。
問題は、
「ネギ…」
ななめ切りになることもなく、小口切りになるわけでもなく、しらがねきにもなれなかった、この一本が二本になったネギはあまりにもかわいそうじゃないのか?
まぁ、今晩のおかずの材料にはなってくれそうだけど。
もうネギで攻撃することはないだろうと、安心したのも束の間。
私の肩をがっちりつかんだ志村がにやりと笑った。
「勝利のポーズいくぜッ!!」
その後ろで、思い出したように年代物のラジカセを出してきた加藤。
カチリと音を立ててそこから流れ出した音楽は…。
もう、私の体は自分の意志ではどうすることもできなかった。
全国のみなさん、にこにこしてますか?
「ネッギ、ネギにしーてやんよー♪」
ネギ踊り…怖い。
この記事へのコメント
野菜で遊んでたら、菜箸をへし折ってしまいました。ううううう…。
……は、おいといて。
どこかのカラオケ機器で、アニメを入れるとでてくるバックの映像を思い出しました(笑)。たしか、カレー鍋の勇者が野菜の悪人を退治しながらさらわれたライスのお姫様を助けて、ラストでカレーライスができあがるとかいうものだったかと。
「名言・格言集」コーナーを始めました。
で、あの台詞を頂戴しました(笑)
王様からも何かいただきます(ぐふっ)
うちは普通のかつおだしばっかりだから、今度やってみようかな。焼いた油揚げに刻んだネギと醤油で食べるのも好きです。
カラオケ、そんな映像だったらまず間違いなく見入っちゃいますね。この前、笑劇なんとかって映像を選択してみたら、ドSな彼女と名前が一緒で一同大爆笑でした。
で、行ってきました、「名言・格言集」コーナー。
やっちまったなー…みたいな(笑)
あんなんで本当に申し訳ないです。で、王様はどこを探してもありませんよ!?(大真面目)